再生エネルギーの出力制御について
2018.09.29

ちょっと前の新聞で気になる記事が出ていましたので紹介します。

”九州電力は7日、電力供給量が需要量を大幅に上回ることによる大規模停電を防ぐため、早ければ今月にも太陽光や風力発電の再生可能エネルギー事業者に一時的な発電停止を求める出力制御を実施する可能性があると明らかにした。これまでに離島での実施例はあるが、本格的なものは全国初のケースとなる。”(9月7日産経westより)

私が知らなかっただけなのかもしれませんが今回の北海道の地震での大規模停電メカニズムの解説と合わせて読むとなるほどと納得する話しでした。

”大阪電気通信大の伊与田功教授(電力系統工学)によると、電力の需要と供給のバランスが大きく崩れると、設備への負荷やトラブルを避けようとして、各地の発電所で電気の供給を遮断する安全機能が働く。今回の地震では、北海道各地で電気の遮断がドミノ倒しのようにいっせいに起こり、すべての発電機が電気系統から離れて広域で停電する「ブラックアウト(全系崩壊)」が起きたとみられる。”(9月6日朝日デジタルより)

これと同じ理屈で春や秋のエアコンを使わなくていい陽気の季節日中に再生エネルギーでバンバン発電されるとやはり電力の需給バランスが崩れてしまうので再生エネルギーの受入れを制限すると。製造業ならば需給のアンバランス対策として在庫を持てばなんとかなる(キャッシュフロー上はよろしくありませんが)のですが電気は在庫ができませんものね。となると出力制御の対象となった事業者は採算が大きく狂うわけで一大事となります。えー!ということは最初からお天気頼みの再生エネルギーの受け入れ枠を多くしすぎたのでは??という疑問も湧いてきます。


まあ細かい政治的な決めごとはともかくこれからいろいろな災害に備えることを思うと需給アンバランス解消のためにやはり安価な蓄電池の普及や、あるいは大規模な超電導蓄電施設などの技術開発に期待したいところです。

冒頭の話に戻りますが今回は電力の話ではありますが何事もバランスが大事というのを考えさせられた記事でした。
※今回の写真はいずれもwebから借用しました

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