最近は外食の機会も減り、それはイコール家で食事を用意する機会増となるので家人の負担を減らしてあげようと、たまに会社帰りにお弁当を買って帰ることがあります。夕方も遅い時間なので割引になっていたりして、私は家族にも「SDGsの観点からフードロス削減のために割引弁当を買ってきた」と公言し、最近までは「お得だったし環境にもいいことしたね」と高評価だったのがどうも最近違う評価になってきました。それが今話題の”ポイ活”です。
ポイントをいかに効率的に貯めて、お得に使うか、極端になるとGO toキャンペーンの”鳥貴の錬金術”みたいな話になってしまいますが私はゲーム感覚でいろいろなアイデアを考えるのは楽しいしもらえるポイントはありがたくもらって有効に使えばいいと思います。”ポイ活”情報交換できるサイトやSNSコミュニティもあるようですね。
それはともかく何が問題かというと私が買い物して買えると家族から「今日は●●ペイ使ったんか?今なら△△は〇〇%ポイント還元だよ!」と、感謝の前にポイント還元チェックが入ったりするようになってきたのです。子供達からは「おじさんはこういうの苦手だから」とインストラクション画像やお得な広告がメッセージで送られて来たりします。これはもう”ポイハラ”か”ポイ活警察”ですね。
キャッシュレス化とコロナ対策で現金でどうなの?みたいな雰囲気からとうとうポイント還元使わないってあり得なーい!!という風潮に勝手にストレスを感じる今日この頃です。会社ではICT活用や補助金活用を謳っているのですが誰でも家と会社は違いますよね。
ちなみに子供たちの指導によればau Payの場合(ウチはJCOMのセット割で全員auということもありまして)今はローソンでチャージしてau Payで支払うのがダブルでお得で還元額には上限があるからポイント還元の上限を超える場合は2度に分けてレジに行くんだよとのこと。もう恐ろしいです(;゚Д゚)
いちいちメガネ出してちっさいスマホ画面いじってそんな面倒なことできるかーい!!という訳で前説が長くなりましたが今週もブログスタート。
そんな世の中の変化を社内に向けて見てみると仕事の評価もコロナの影響でだいぶ変化してきました。テレワークを前提した評価システムを組むとどうしても成績重視、ルーチンワークはRPA化、外注化、営業の追客だってMAの方がいいでしょ?みたいな話が出てきます。
当社としてもこれからより一層人材の流動化が進む(これもコロナの影響でだいぶ早まった気がします)中で今のスタッフも、これから仲間になるスタッフもやりがいと緊張感を持って仕事をしてもらうための仕組みづくりに取り組んでおり、今期からは「ジョブ型」評価も取り入れています。※ジョブ型とメンバーシップ型については様々な記事が出ていますのでそちらを参照してください。
基本的には年齢・性別・経験に関係なく決められた職務で結果を出せばそれだけ評価されるという若くてやる気があって成果も出せて「なんであの年寄りがオレ(わたし)より高い給与もらってんの!?」みたいなことがなくなり、逆に成果に関係なく「今まで何年勤めたのでこれくらい給料もらってました」という人にとっては戦々恐々とする制度だと思います。
私の経験からすると外資系でトップダウンでやる以外はジョブ型とメンバーシップ型を日本風にアレンジしたうまい方法を見つけて社員のモチベーションとプライドの両方をバランスよく維持することが重要になると思っています。
私自身は以前アメリカで働いた経験があり、人の採用も担当してガチガチのジョブ型を体験しているのでその良さも大変さも少しはわかっているつもりです。ジョブ型でまず何に苦労するかというとjob description(職務分掌)の作成です。採用する側もされる側もきっちりと「あなたの仕事はこれとこれとこれです。KPI(評価指標)はこれで、報酬にはこのように反映されます」ということを決めます。大変ですが逆にこれがあるおかげで曖昧なことが少ないため急に穴があいて採用してもすぐにフィットするというメリットもありますし能力不足であれば辞めてもらうこともできます(その後の裁判も多いです)。もちろん仕事の能力で求人するので日本の履歴書にあたるファイルには年齢や性別を書く欄はありません。
当時私が現地で苦労したのが「5S」と「カイゼン」という日本的な文化を取り入れようとした時です。会社は製造業だったので日本流にまずは5Sでムダを見つけてそれをカイゼンするというスタイルで行くとまず「掃除は掃除係がいるでしょ。私は掃除をするために会社に入ったのでもないし、契約にも書いてない」と。さらに印象に残っているのが図面の管理をしていた女性に「これをこうしてやれば今の労力の半分で同じアウトプットが出せるよ」とアドバイスしたら真顔で「そんなことしたら私の仕事が無くなるから絶対にやらない!!」と怒ったことがありました。
そうか、と。日本式雇用ではカイゼンすれば自分の仕事が楽になり、仮にその作業が無くなっても他の場所、他の部署へ移動すればいいやということでカイゼンに前向きに取り組むし、そもそもムダが許せないという国民性もあるかもしれません。しかしジョブ型で採用すると極端な例かもしれませんが先ほどのようなことも起きるわけです。
私はこの話を家族にするとすごく嫌がられるのですがレストランで言えばこうです。
オーダーを取りに来るのはいわゆるブロンドの白人女性。「Good choice!」からの「Enjoy!」「Thank you! Have a Good day!」明るく人懐っこい人な訳です。ところがナイフを落とすと「それは私じゃない」と私が住んでいたテキサスでは別の南米系のスタッフが出てきてニコリともせず片付けて変わりのナイフを置いていく訳です。それを見て私は大変な国だなと思うのですが片付け係の彼女からしてみるともしオーダー係がナイフを拾ったりしたら仕事を奪われたことになるのかもしれないし、オーダー係はお客様を待たせてチップが減ったりするのかもしれない、結果としてお店全体の評価が下がり売り上げが減少するかもしれないのです。
なので外で食事をする際に家族に話すのですが「空いた食器を重ねるとか、自分で何かメニューをを探したり落とした箸を拾ったりするのはここで働く人たちの仕事を奪うことになるから止めな」と半分冗談で、半分本気で言います。もちろん家族は日本人的な考えで「こんなことでいちいち呼び止めたりしたら店員さんの迷惑になるし感じ悪い客と思われるから」と言います。
そうなんですよね、日本人て(ひとくくりにしてすみません)人からサービスを受けるのが苦手なんですよね。「ありがとう」の前にすぐに「すみません」が出ちゃいます。でもサービス業の人たちはサービスを提供することで商売している訳でサービスを提供するチャンスを奪ってはいけない気がしてそのような話を家族にしたのです。「店員さんがすごく親切で感じのいい対応だったからまたあそこの店に行こうね。」という印象を与えるプレゼンチャンスを奪ったのでは??と思いませんか?。
長くなりましたが今はまさにコロナのせいで買い物は通販で十分→実店舗いらない、食事はお店で食べなくていい→テイクアウトかデリバリー(これは新たなサービスですね)と今までは人や場所がサービスとして付加価値を得ていたものがオンライン化、セルフサービス化することで私たちが今までお金を払っていたことに対してこうすれば実はお金を払わなくてもいいんだと気づいてしまった以上ビジネスモデルを転換せざるを得ない状況になっているのです。
となるとサービスを提供する側の私たちもお客様に選ばれるためにサービスの提供の仕方を変え、それに合わせて働き方や評価の仕方を変えていかないと生き残ることができません。その中のひとつがジョブ型の採用なのですが私自身はやはり文言にできなかったり数値に表せない仕事や評価というのがあると思っています。しかしその肌感のような感覚的なものはリモートでは非常に伝わりづらく、zoomのように顔が見られるならまだしも数字の集計だけでは一切伝わりません。個人的にはジョブ型にもやはり日本人的な目に見えない努力を評価したり支えたりする仕組みを入れて行かないと欧米型のまんま導入は難しいと考えていて、その仕組みづくりに頭を悩ませています。
同じように家づくりもそうですよね。気密がいくつ、熱還流率がいくつ、耐震等級いくつってそれだけならどこで建てても数字を合わせればよいだけで、数値では表せない言葉に出来ない心地よさとか使い勝手の良さが私たちが家づくりで提供するサービスの本当の付加価値なんじゃないかと。その価値を感じてもらうためには時代に逆行するかもしれませんがVRなどではなくリアルな「体感」と人と人とのコミュニケーションが重要だと思っています。
今週は今後ジョブ型必須とはわかっていながらも浪花節的な思いも捨てられず試行錯誤していて、でもすでに走り始めていますというお話でした。時代とともに正解は変わると思うので走りながら考え続けます。