今年も直前からのコロナ第4波拡大でステイホームのGWとなりましたね。新潟の実家からは2年連続で「帰ってくるな」とも言われています。となると出かける当ての無い私もさすがに毎日釣りばっかりでは家族からブーイングが出そうなので庭の手入れをしたり、家族サービスをしたりと上手く家族の顔色を見ながらバランスよく時間を使ってリフレッシュしたいと思っています。みなさんもお家時間を有効に使って忙しくするも良し、ただひたすらのんびりするも良し、コロナ感染対策に気をつけながら思い思いのGWを楽しみましょう。では明日からお休みをいただくのでいつもの土曜日ではなく金曜日ですが今週もブログスタート。
4月28日付朝日新聞の記事より |
私たちの業界では昨年末から今年に入りずっと話題には上がっていたのですが最近は一般の新聞やニュースでも取り上げられてすでにご存知の方もいらっしゃるかもしれません「ウッドショック」について今回はお話します。
その昔原油価格の上昇により「オイルショック」と言われる状況が発生しましたが、それと同じことが現在は木材市場で起こっていてそれが「ウッドショック」と呼ばれています。
諸説ありますが簡単に言うと日本だけの問題ではなく世界全体で見た木材需要に対し供給不足が価格高騰の原因です。
なぜまた今頃急に?と思われるかもしれませんがこのような構図となったようです。
>北米でコロナの影響で住宅市場が縮小すると思って生産縮小、商社も在庫削減
>ところがアメリカは景気が急回復。加えて低金利政策などの影響で住宅着工件数が増加。
>さらに中国も同様に景気が急回復して米中で取り合いになり価格高騰
>さらにさらに世界的な巣ごもり需要の拡大でコンテナ不足で物が入荷せず奪い合いが激化
>日本は木材確保に出遅れたばかりでなく木材市場からは品質にも価格にもうるさい国と思われているので黙ってお金出してどんどん買ってくれる米中へ品物が向かっている
なんだそれなら国産材でいいじゃない、と思われるでしょうが現在日本の木材自給率は40%未満。そこへ注文が殺到すればやはり国産材も奪い合いとなり価格が上昇してしまいます。
でも何で遥か海の向こうから船に乗ってやってくる木の方が国産材より安いんでしょうね。。。その理由は「山」です。日本の国土の大半を占める山の斜面を行ったり来たりして高い人件費を払って気を切り出して運んだり、枝打ちなど植林の手入れをすると広大な平地から安い人件費で切り出して船に乗せて大量に運び込まれる輸入材にコストでは勝てないのだそう。
我々が安さだけに目を奪われたせいで結果的に国内の林業が衰退することとなり、ましてや木の成長と手入れには年月がかかるので急に国産材を!と言われても対応できないのも当然です。今回は木材ですがそれ以外でも自給率が低いというのは自力で抵抗できないので怖いですね。
最近は地産地消という言葉があちこちで聞かれますが確かに私たちが家づくりのために払ったお金が輸入商社と外国の林業会社に渡るのであれば地元の林業にお金が回って、それが森の木やそこで働く人の雇用を守ることになり、その人達がやがて自分の家をまた建ててくれるようなサイクルができれば理想です。
このような状況の中で、当社としてまずは協力会社さんとコミュニケーションを密に(ここはディスタンスではなく密で)取りながら注文をいただいているお家の材料の確保と工期の順守に努めています。そして今後は木材市況の動向を注視しながら私たちの「お客様のお家を建てるという事業」が将来に渡って持続可能な適正価格・適正コストというのを模索して行くことになります。生き残るには「変化に強いこと」これ重要なキーワードですね。
世間ではコロナ禍とは言われますが今まで身の回りの「当たり前」と思っていたことをもう一度「そもそも」に立ち返って見直す良い機会と前向き捉えて、アフターコロナ、ウィズコロナの新しい生活様式となっても皆さんに選ばれるように精進してまいります。
今週はGW中ではありますがちょっと固い話をニュース解説っぽく書いてみましたがいかがでしたでしょうか。
では皆さま良いGWを。