なぜ木を使うことがエコなのか/2050カーボンニュートラル達成との関係について
2022.02.12

北京オリンピック始まりましたね。以前ここでも書きましたが私も地元新潟ではずっと部活はスキー部だったので毎回熱く応援しています。前回の平昌オリンピックは私が現役だったころの友人やライバルの子供達が選手として参加していたりして感慨深いものがありましたが今回はその年代もすでに引退して、今さらながらあー私も歳を取ったなぁと感じています。

写真は毎日新聞web版から引用させていただきました

いくら歳を取ったと言っても未だに若い人達から学ぶことも多く、特に昨日のスノーボードハーフパイプの平野歩夢選手の「怒り」の感情のコントロールというか、その感情をパフォーマンスのエネルギーへ昇華させたというコメントにとても感動しました。終わってしまったことより自分が今何をすべきか、ということに集中したメンタルほんとにすごいなと。あー自分は歳だけ取ってまだまだ未熟だなと、感心しながら見ていました。

 

人が人を採点する競技では「不可解な」、とか「納得いかない」判定というのがあり得る話ですが、そこに怒りの矛先を向けずに3回目の演技にぶつけて同じジャッジに認めさせたというところが何ともカッコいい。恐らくすげー頭に来てたと思うのにクールに決めて最後は逆転勝ちというのはまるで映画のストーリーのよう。

 

そして個人的に彼を気に入ってるポイント。そもそも私と同じ新潟の出身(町は離れていますが)、見た目ドレッドでやんちゃかと思いきやめちゃめちゃ真面目な努力家で浮ついたところが全く無く、インタビューの受け答えも饒舌ではないけど礼儀正しく、家に帰って手作りカレーが食べたいと新潟県民らしさをさらりと見せて、でも今どきのYouTuberのように妙にヒトを煽ったりしないという私の好きな理想の若者像にピッタリ(ビッタビタ?)。

 

ぜひウチの会社で働いてくれないか!?とスカウトしたいぐらいですが平野選手はこれからもさらにみんなを驚かすような技を決めて世界中を沸かせてくれるでしょうから邪魔はしません。ともかく昨日の平野選手の金メダルはそれまでの北京オリンピックのモヤモヤ感を一気に吹き飛ばす爽快な金メダルでした。ありがとー平野選手🎊では今週もブログスタート

 

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北京オリンピックでも森を切り拓いて作られたと思われる競技会場が出てきますね。木=自然素材、だからエコ。と思われる人も多いかもしれませんが逆に森の木を伐採することは”森林破壊”なのでは??と思われる方もいると思います。

お客様とお話をするうちに私たちが作る木をふんだんに使ったお家がなぜエコなのかをしっかりと知っていただく必要があるなと感じましたので今日はちょっと理屈っぽい話をします。

木は年を取るとCO2を吸収しなくなります。そのため適切な時期に伐採し、また植林することで森の新陳代謝が必要なのです。

林野庁HPより

現在、人工林の半数が樹齢50年以上と言われ、このまま木の高齢化を放置すると森のCO2吸収量はグラフのようにどんどん減少してしまうことが分かります。

 

日本のCO2吸収量の割合は大部分が森林と木材の製造物が占めるため、2050年カーボンニュートラル(https://ondankataisaku.env.go.jp/carbon_neutral/about/)を考えると森の適切な新陳代謝のサイクルを維持することが重要になります。

このポイントが理解できれば冒頭の「ただ木を使えばエコ」、とか「木を切ることは森林破壊なのでは?」という考えが、「その木がどこで、どんな状態にあるか」という条件次第で単純にひとくくりにできないことも理解できたと思います。

 

次は木の持つ「炭素貯蔵効果」についてです。これもなかなかピンとこないですよね。

木は大気中の二酸化炭素を吸収して成長するので吸収された炭素は木の中に貯蔵されることになります。なので木材で作られた製品は燃やさない限り炭素を大気中に放出しません。そのため身の回りに木の製品が増えれば増えるほど炭素が貯蔵されることになり、これが「炭素貯蔵効果」と呼ばれるものになります。

 

ですから木の製品である木造住宅は森林と同じで成長時に吸収したCO2を固定化しつづけることになります。

”燃やさない限り”というのもポイントですよね、大切なお家をリフォームしながら長く住み続けることが「炭素貯蔵効果」を維持することになりSDGsに貢献することにもなるのです。

 

 

なのでRC造や鉄骨造に比べ環境負荷の少ない、建築物の木造化は日本の「地球温暖化対策計画」の中では重要な位置づけとされていて、昨年10月にはこれまで「公共建築物における木材の利用の促進に関する法律」として公共建築物の木造化を奨励していた法律が「脱炭素社会の実現に資する等のための建築物等における木材の利用の促進に関する法律」に改正されました。

 

「等」と「の」が多すぎて良くわからないと感じるかもしれませんが、要はこの法律の対象が公共建築物だけでなく民間の中大規模建築物にも適用されるようになったということです。

ですからこれからは住宅だけでなく、大きな体育館や倉庫、施設、ビルなどを木造で建てることが当たり前の世界がやってくるかもしれません。またそのための木造の新技術、新材料、新工法も続々と開発されています。

 

今回は理屈っぽくなってしまいましたが、当社で家を建てること自体が「炭素貯蔵効果」を発揮し、それが脱炭素社会実現に貢献して2030 SDGsからそのまた先の2050カーボンニュートラル実現につながっているんですよというお話でした。

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