先日、ちょっとした出来事がありました。 群馬に移り住んでかれこれ35年になるのですが、その35年間ずっと通い続けていた行きつけの美容室(私は床屋さんと呼んでいましたが)が、なんと閉店してしまったのです。
いつも通り「予約するかー」とお店に電話をすると、聞こえてきたのは無機質なアナウンス。
「おかけになった電話番号は、現在使われておりません……」
「あれ?故障かな?」 お店の電話以外に予約する方法を知らないので、さて困ったなと。
もしかして閉店しちゃったのか!?と嫌な予感がよぎりました。
ちょうどお店の方向へ行く用事があったので、一縷の望みをかけて現地に足を運んでみると……
いました!店主さん!(´Д⊂ヽ
「あれあれー!なんだ、やってるじゃないですか!電話したら使われてないって言うから、固定電話を辞めちゃうのかと思いましたよ」
「いえいえ、店たたむんですよ」
「えええええーっ!?」
「伝えるタイミングが無くて悪かったですねぇ。中の片づけをしてたところなんですよ」
「そうなんですかぁ……。いやー、これからどうしよっかな……」
寂しさに打ちひしがれる私に、店主さんが言いました。
「良かったら、今刈って行きます?」
「え、いいんですか!?」
「まだイスが一個だけ残ってますから」
「じゃあ、お願いします!」
そこからは短い時間でしたが(バリカンだけなので💦)、35年間の思い出話に一気に花が咲きました。
「初めて来た頃は、スターレットに乗ってましたよね」
「そうそう!」
「マウンテンバイクで来たりもして」
「そうそう、懐かしいなぁ。アメリカから帰った時も真っ先に来ましたもん。」
「このあとは、他の場所で店を出すんですか?」
「いや、もう美容室はやんないです。もう66なんでね。年金をもらいながら、アルバイトでもして暮らそうかなと」
「そうなんですかぁ……。何しろ健康で、好きなことができる時間が増えるといいですね」
「どうかなー(笑)」
実はこの日まで、私は店主さんの年齢も知らず、さらにはお名前すら知りませんでした(結局、最後まで聞きませんでした)。
たまにお店に行って、他愛もない話をして、お互いの「生存確認」をする。
そんな近すぎず遠すぎない、心地よい距離感のお付き合いでした。
それだけに、いざその場所がなくなると、本当に寂しいものです。
でも、毎月家賃を払いながらお店を維持して営業を続けるって、本当に大変なことですよね。
経営者として、その重みは痛いほどよく分かります。
たまたま当時住んでいた場所の近所で、お店は美容室なのに、なぜかスキー競技にちなんだ店名。
そして店の前には、懐かしのHONDA「モンキー号」(私も乗っていました!)が置かれていて……。
そんな不思議な縁に惹かれて、ふらっと入ったのが最初でした。
そして、このお店で特筆すべきは、今で言う「ダイナミックプライシング(価格変動)」制度が、20年以上前から導入されていたことです(笑)。
私が初めて行った頃は「カットのみ3000円」でした。
それが、ある時期から私の頭を眺めながら、「ん〜、もうハサミも使わないし、2000円でいいかな」とプライスダウン。
さらに最近では、 「もう10分かかんないから、1000円でいいっすよ(笑)」
家族からも「その頭で美容室に行く意味あるの!?」と言われていましたが(苦笑)、私にとっては髪を切るというよりも、定期的に大人の会話を楽しみながら生存確認をしに行く、まさに「ヘアサロン」として大切な時間だったのです。
偶然とはいえ、私が「最後のお客」になることができたのは、やはり不思議なご縁ですね。
最後まで名前も連絡先も聞かず、「それじゃ、お元気で!」とお別れしてきました。
店主さんの中でも、私が最後のお客として記憶に残ったかもしれません。
気のせいかもしれませんが、最後に見送ってくれた店主さんの目が、少し潤んでいたように見えました。

お別れの記念写真をパチリ(でも店主さんには送れない(笑))
さて、問題はこれからです。
「また新しい馴染みの店を見つけるのも面倒だな……」 「人見知りだから、話が合わないと気まずいしな……」
悩んだ結果、ついに「セルフカット」の導入をケテーイ(決定)!
さっそくAIのジェミニに相談したところ、「これを買え!」とおすすめされたのがこちら。
素晴らしい。
いいぞ、パナソニック! その名もズバリ「ボウズカッター」。
高校球児だけでなく、私のような大人の需要もしっかり捉えている名機です。
私がAmazonでこれをポチると、それを見た家族が100円ショップで「散髪用ケープ」を買ってきてくれました。
「毎回1000円払っていたのが、100円になって良かったね」とのこと……(笑)。
そんなわけで、私の今年のGWチャレンジプロジェクトのひとつは「セルフカット」になりました。
いきなり短くしすぎると下手がバレるので、まずは「5mm設定」で慎重にチャレンジ!
自分的には上々の仕上がりだと思っています。
今のところ、社員のみんなからも「社長、後頭部まだらっすよ」というツッコミは入っていません(笑)。
これからはマメに自分でカットして、年齢に負けない清潔感をキープしていこうと思います。
馴染みのお店がなくなるのは寂しいけれど、それはまた、新たなチャレンジのきっかけでもある――。今週はそんなお話でした。
……ところで「ダイナミックプライシング」の使い方、合ってましたよね?(笑)。